この展覧会のタイトルは「15日間の美術館」です。
取手には美術館と言える立派なものはありません。
しかし、美術館に展示すべき作家はたくさんいます。
今回の展覧会は、取手市民としてまず知っていて欲しいアーティストを選びました。会派などにとらわれず選出した作家がこのように集まることはめったにありません。その多くの作家たちは全国的に高く評価され、幅広く活動する一方で、取手にもファンが多く、いつも作品を楽しみにしている作家たちです。
この展覧会に来て作品を見ると、また違った印象の取手に出会うことが出来ると思います。そして、いつの日かまち自慢のタネにしてほしいです。それから、文化的なまちとしての印象を今の子供たちに持ってもらいたいというのも目的の1つです。
東京藝大が平成4年にキャンパスを開校し、後に市民や行政と連携して始まった取手アートプロジェクトが立ち上がり、取手は自称「アートのまち」です。実はこの「アートのまち」を未来に描き、ずっと取手のアートを牽引してきた地元アーティストたちがいたからこそ今の形があると思っています。そして今回はそんなアーティストたちにスポットをあてたいと企画しました。
藝大が取手に開校するずっと前から活動していたアーティストグループ(当時の「郷土作家の会」)やまちづくりを考えるいわゆる市民ボランティア、行政、藝大など立場の違うグループないしは個人が、垣根を取り払い侃々諤々して作り出したのが「アートのまち取手」の基礎です。彼らがあの時本当に本気で考えたから今日の取手とアートという姿があるのです。
しかし、残念なのは、近年活気があって、見たい物を見ることのできる展覧会が市内にて減ってきているという現状もあります。私たちは、このような問題を提起すると共に、より充実したアート活動がこれから展開できるよう、その第1歩として、あの時本気で向き合っていたメンバーを集めて展覧会を一緒に作って欲しいと考えたのです。
そして、これからの「取手と美術」というものを原点に立ち返って一緒に考えるきっかけになれるよう作品展を開催しようと考えたのがこの美術展の趣旨でもあります。
(プレスリリースより)